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研究室選択

研究室の選択は皆さんの人生を決める大きなイベントとも言えるでしょう. 研究室を選ぶときに,長年の伝統を引き継いでいる研究室もあれば, 比較的に新しい研究室もあります. 長い伝統のある研究室の場合,これまでの資産をうまく活用して流れに乗れば比較的に短時間で成果を上げることができるかもしれません. その反面,自ら考えて立ち上げる研究の機会が少なく,自分を表現しきれないことや能力の成長が限られてしまうこともあります. これに対して,新しい研究室では自ら考えて指導教員とやりとりしながら研究を進めることになることが多いです. 指導教員も自分の研究室を作り上げることに熱心でやる気は100%以上あります. 従って,指導教員と密接な関係を築くことができ,お互いが成長していくことになります. さあ,あなたはどの研究室を選びますか? もちろん選択の際,考慮しないといけないことは他にもたくさんあります. 指導教員と相性よいかどうか,指導教員の指導方針や研究体制とかいろいろあるでしょう. そこで,どの研究室が自分に向いているかよく考えてください. 新しいことに挑戦したい人,自分を最大限表現したい人,自分の実力を着実に伸ばしていきたい人は新しい研究室が良いかもしれません. デスクや椅子や設備などが新しいのも若い研究室を選ぶメリットです.

指導方針

学生各々が自分の個性を出すように意見とアイディアを尊重します. ものごとを客観的に捉え,新しいことに次々と挑戦していくよう心がけています. 問題の本質を見抜き,根本的な解決策を考案する能力を育てることを中心に日頃のディスカッションを行います. 成果を出したい人も安心してください. これまで指導した学生が修士卒業の時点で学会や論文誌に論文を発表し,国際学会におけるベストペーパ賞も受賞した実績があります. 国内外の賞も多数受賞している人がいます. 論文執筆や実験などでしっかりサポートします. また,論理的でわかりやすい文章と伝わるプレゼンテーションを徹底的に訓練させます. 自分の成長を楽しみたい人を待っています. 少しでも興味があれば,ぜひ一度声をかけてみてください.

来て欲しい学生像

本研究室の多く研究では物理とアナログとディジタルを総合的に扱います. 例えば,センサ回路における情報処理の流れは次の通りです. デバイスの特性を利用し,エレガントなアナログ回路で目的の情報を抽出し,ディジタルで処理して出力します. 電源回路の場合は次のようになります. アナログの物理量をセンシングし,ディジタルに変換してからディジタルドメインで処理した結果をまたアナログに変換します. アナログコンピューティングの場合は,アナログとディジタルの間の変換を数回繰り返します. このように,アナログ集積回路は人類がこれまで蓄えてきた知識を集約したものとなっており,大変面白いです. この集積回路設計をさらに発展させるのが当研究室の約目です. いろいろなアイディアを出せる人は楽しく研究できると思います. また,特定の考え方に捕らわれることなく,アナログとディジタルの両方を勉強したい人はぜひ来てください. これまでアナログ回路をあまり勉強したことがないあるいは理解できない人もいると思います. 私もそうでした. デバイス物理と電磁気学とアナログ回路は大変面白いですが, 学部の授業とかで必ずしもその面白さが伝えられていないと思います. まあ,どの分野においても学部で勉強する内容は表面の一部の話になっていますので, 研究室ではしっかりと勉強することはどの道必要でしょう. 電磁気とデバイス物理をわかりやすく教えますので,安心してください. 集積回路の最先端に触れたい人はぜひ検討してみてください.

上記に加えて,一緒に研究室を作り上げてくれる人を歓迎しています. Linuxマシンやネットワークなどに興味がある人はCADツールやサーバのセットアップなどで知識を深めることができます.

研究体制

基本的に自由でコアタイムは設けません. 週1会のゼミと研究会を実施し,これらのイベントに全員が参加します.

  • ゼミ
  • 研究会
  • 新入生講習
  • 勉強会
  • 輪読会

ゼミ

  • 毎週
  • 全員担当
  • 数時間(議論の内容による.なるべくコンパクトになるように努力します)

ゼミではその週の進捗や今後の方針や共有したいことなどを資料にまとめて全員と議論します. ゼミはコミュニケーション力や考えをまとめる能力などを鍛える貴重な機会となるため, 最も重視しているイベントとなります. ゼミでは全員が発表します.しかし,一人ひとりの時間が限られるため,要領よく議論するために事前準備が欠かせません. 毎週のゼミ資料の作成は大変に思えるかもしれませんが,逆にこれを盾にして研究を効率よく進めることができるため, 長いスパンで見れば時間が節約に繋がります.資料作成のコツを掴めば,資料作成のタスクは苦には感じなく, 逆に楽しむようになります.

研究会

  • 毎週
  • 二人
  • 2時間以内

研究会では,一人か二人が学会と同じような形式で発表をします. なので,学会と同じように発表スライドを使いますし,原稿も作ります. 自分のアイディアを限られた時間で伝える能力は最も重要なスキルです. 企業でも大学でも交渉の場でも発表スキルなしで何も成し遂げることはできません. 自分の個性を出して情熱のある発表を目指しましょう. 日頃このようなことをしていけば卒業時点で驚くほどの成長になります.

新入生講習会

  • 毎週
  • 4月~6月

新入生向けに講習会を行います. 研究の準備として次の道具の使い方を一通り講習します.

Python

プログラミング言語としてPythonを使います. 研究ではプログラミングをバリバリ使うことになりますので,プログラミングスキルを取得しましょう. もちろん自分の好みの言語があればそれを使っても大丈夫です. イスラムは学生時代にRubyを使っていました. 個人的にPythonよりRubyの方が好きです. しかし,その後Pythonで便利なライブラリがたくさん開発され,結局Pythonに移行しました. ライブラリをうまく使えば研究活動において大幅な時間の節約だけでなく, 図の作成やモデルの検証や数値シミュレーションなどが楽しくなります.

LaTeX

資料の作成にLaTeXを使います. ちょっとしたノートの作成に使いやすいソフトを使えばよいのですが, 論文や研究会資料のように参考文献や図などの参照を扱うようになると,LaTeXのほうが便利です. 論文執筆の際はOverleaf上でコラボで作業します. 毎週のゼミ資料用のLaTeXテンプレートを作っておくと良いですね. いろいろ工夫してみてください.

図とプロット

美しい図とグラフの作成を重視しています. 図を丁寧にわかりやすいように工夫していくことで次々とアイディアが生まれます. また,美しい図が出来上がった後の喜びは宝物です. ぜひこの宝物をゲットしましょう.

回路図の作成にフリーソフトのdrawioを使います. もちろん,自分の好きなドローソフトを使っても大丈夫です. drawioは回路図やフローチャートのように接続関係を維持したい場合に,大変便利です. また,ライブラリが豊富で,カスタムライブラリも登録できます. 日頃使うシンボルをライブラリに登録し,全員で共有するようにすることで,作業効率の大幅な向上が実現できます.

プロットするソフトとしてPythonのMatplotlibを使います. 様々な図を作るためのコードも全員で共有して効率の向上を図ります.

Spiceシミュレータ
  • LTspice
  • HSPICE

Spiceは集積回路のシミュレーションに特化したシミュレーションを指します. このシミュレーション技術のおかげで今の何万個からなる回路の設計が可能となっています. また,回路は自然現象のモデル化にも応用できます. Spiceの中で無料のLTspiceと商用のHSPICEがあります. 講習会ではSpiceの基本的な考え方と様々な解析について勉強します.

Verilog-ams
アナログ回路とディジタル回路
計算機とネットワーク

回路設計や大規模のシミュレーションにLinuxマシンを使います. そこで,Linux OSの使い方やコマンドラインなどの使い方を取得します.